Mira Bussola

知財の歴史

第8回 名誉革命後の特許制度 ―「王の特権」から「発明者の財産権」へ

はじめに 17世紀の英国では、1624年の専売条例制定後もなお続いた「王の専制」から、「法の支配」へと大きく転換する時代でした。その中で、特許制度も大きな変化を迎えることとなります。 日本では、江戸時代の2代将軍秀忠の時代から5代将軍綱吉の...
弁理士コラム

令和9年度から弁理士試験の選択科目が変更 ― 15選択問題から9選択問題へ

はじめに 2026年2月に、「令和9年度から弁理士試験制度が変わります」と題した特許庁のリーフレットが公開されています。 主な内容は、選択問題の統合と、出題範囲の見直しとなっています。今回は、具体的にどのような変更となるのか見ていきます。 ...
知財の歴史

第7回 英国専売条例とは? ― 特許を「王の恩恵」から「法律の制度」へ

はじめに エリザベス1世後期からジェームズ1世にかけて、英国では国王による専売権(独占権)の濫発が社会問題となりました。生活必需品にまで独占権が与えられ、物価上昇や産業活動の停滞を招いたのです。 こうした状況に対抗して、1624年、英国議会...
弁理士コラム

弁理士試験の口述試験とは?会場・当日の流れを実体験から紹介

はじめに 2026年8月に入り、今年度の弁理士試験も短答式試験、論文式試験が終了し、現在は論文式試験の合格発表を待つ時期となりました。 論文式試験に合格すると、いよいよ最後に待っているのが口述試験です。令和8年度(2026年度)の口述試験は...
商標とブランドの話

「ルナ・アズール」はなぜ文字商標とロゴ商標を別々に出願したのか?

はじめに2026年6月9日火曜日、JR東日本は、夜行運転に対応する特急列車「ルナ・アズール」についてプレスリリースで発表しました。(出典:JR東日本プレスリリース「夜行運転に対応する特急列車により新たな乗車体験を提案します」) 「ルナ・アズ...
知財の歴史

第6回 議会による特許法の制定 ― 現代の知的財産法の基礎の誕生

はじめに 16世紀から17世紀にかけて、イングランドは海上国家として台頭していきました。しかし一方で、度重なる戦争や宮廷の支出により、王室の財政は厳しい状況にありました。また、ヨーロッパ全体で物価が上昇するなど、経済は不安定でした。 こうし...
知財トピック

AIは特許審査をどう変えるのか ― 特許庁「JPO AIビジョン」を考える

※画像はAIで作成したイメージです。実際の特許庁の施設、審査システム等を表すものではありません。はじめに 2026年7月28日火曜日の日本経済新聞朝刊に、「AIで特許審査 職員が最終判断 特許庁が活用指針」という記事が掲載されました。 特許...
知財の歴史

第5回 王権は法に従う ― ダーシー対アレン事件 (1602年)

黄金演説のその後 16世紀後半のイングランドは、対スペイン戦争などにより深刻な財政難に陥っていました。しかし、新たな課税には議会の承認が必要であり、王権のみで新たな課税を恒常的に行うことは困難でした。 そこでエリザベス1世は、「王の特権(R...
弁理士コラム

弁理士試験論文式試験 (選択科目) について

はじめに 例年、7月下旬の日曜日には、弁理士試験の論文式筆記試験のうち、選択科目の試験が行われます。2026年(令和8年度)は、7月26日(日)に実施されました。 選択科目では、6つの科目の中から、受験願書の提出時に選んだ問題を解答します。...
知財の歴史

第4回 エリザベス1世の時代 ― 特許濫発の弊害

はじめに これまで述べてきたように、15世紀のイングランドで、当時の王であったヘンリー6世が特許状の付与を開始しました。 (「第2回 15世紀イギリスの特許状」) しかし、イングランドにおける特許状は、その後、大きな問題を抱えることになりま...