※ 掲載している日程は令和8年度のものです
はじめに
2026年 (令和8年) 11月9日月曜日に、弁理士試験の最終合格が発表され、合格者には11月11日水曜日に合格証書が発送される予定です。
最終合格をすると、次は実務修習の申込をすることになります。実務修習の申込には、弁理士試験の合格証書の写しなど、受講資格を証明する書類が必要になります。
実務修習については、こちらの日本弁理士会のサイトに詳細が掲載されています。
また、弁理士試験から実務修習・弁理士登録への流れについては、以前の記事に掲載しましたので、参考になれば幸いです。
今回は、実務修習の概要について見ていきます。
実務修習とは
2008年 (平成20年) 10月1日に施行された改正弁理士法により、弁理士になるためには実務修習の受講が義務付けられました。具体的には、2008年10月1日以降に以下に該当する者が対象となります。
- 弁理士試験に合格した者
- 弁護士となる資格を有する者
- 特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査に従事した期間が通算して7年以上になる者
なお、実務修習を修了すれば、弁理士会に再登録する際に、再度実務修習を受講する必要はありません。
実務修習の申込
令和8年度の実務修習の申込は、2026年 (令和8年) 11月11日水曜日から11月18日水曜日までに申請書類を郵送します。当日消印有効です。合格発表から10日程度しか期間がないため、留意が必要です。もし、この時期に申し込みができないと、次年度以降の受講となってしまいます。
また、申請書類を11月17日火曜日から11月18日水曜日に郵送する場合は、事務処理の都合上、11月18日水曜日の午前9時までに、すべての申請書類のスキャンデータ(画像データ、PDF)を日本弁理士会事務局の指定フォーム (https://form.run/@jitsumu-jukou) に送信する必要があります。
なお、該当する方は一部の実務修習の課程が免除される場合があります。詳細は「実務修習のお知らせ」を参照してください。免除に際しては所定の「実務修習の一部免除申請書」及び必要な「証明書」の提出が必要です。
実務修習の受講料は、118,000円 (非課税) です。申請書の提出前に指定の銀行口座に振込みます。そして、振込票を申請書類に添付します。
申請書類は配達証明郵便で送付します。Web上で申請書を作成しただけでは申し込みは完了しません。
実務修習の実施期間
2026年 (令和8年) 12月4日金曜日から2027年 (令和9年) 3月31日水曜日です。
なお、e-ラーニングの配信期間は2026年12月4日金曜日から2027年2月28日日曜日までとなります。 2026年12月9日水曜日に開講式およびガイダンスがオンライン開催されます。
実務修習のコース
実務修習の受講申請書の中で、受講希望コースを選択します。コースは集合研修の受講曜日・時間帯と特許課目の分野 (化学・機械・電気) です。受講希望コースと特許課目の組み合わせは、第3希望まで記入する必要があります。
コースは、金曜コース (金曜日の昼間開催)、土曜コース (土曜日の昼間開催)、夜間コース (木曜・金曜の夜間開催)の3コースとなります。令和8年度は以下の日程になります。なお、以下の日程はすべて2027年 (令和9年) のものです。
集合研修については、30分につき1単位で計算されます。なお、金曜・土曜コースの10:00~17:10の研修では、13:10~14:00に50分間の休憩時間が設けられています。研修の単位数は12単位(6時間相当)となります。
金曜コース
- 1月 8日 10:00~13:10 (3時間) クレームの作成・解釈 (特許)
- 1月15日 10:00~17:10 (6時間) 明細書のあり方・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月22日 10:00~17:10 (6時間) 審査対応・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月29日午前 10:00~13:10 (3時間) 出願手続・演習 (意匠)
- 1月29日午後 14:00~17:10 (3時間) 審査対応・演習 (意匠)
- 2月 5日午前 10:00~13:10 (3時間) 出願手続・演習 (商標)
- 2月 5日午後 14:00~17:10 (3時間) 審査対応・演習 (商標)
土曜コース
- 1月 9日 10:00~13:10 (3時間) クレームの作成・解釈 (特許)
- 1月16日 10:00~17:10 (6時間) 明細書のあり方・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月23日 10:00~17:10 (6時間) 審査対応・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月30日午前 10:00~13:10 (3時間) 出願手続・演習 (意匠)
- 1月30日午後 14:00~17:10 (3時間) 審査対応・演習 (意匠)
- 2月 6日午前 10:00~13:10 (3時間) 出願手続・演習 (商標)
- 2月 6日午後 14:00~17:10 (3時間) 審査対応・演習 (商標)
夜間コース
- 1月 8日(金) 18:00~21:10 (3時間) クレームの作成・解釈 (特許)
- 1月14日(木) 18:00~21:10 (3時間) 明細書のあり方・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月15日(金) 18:00~21:10 (3時間) 明細書のあり方・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月21日(木) 18:00~21:10 (3時間) 審査対応・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月22日(金) 18:00~21:10 (3時間) 審査対応・演習 (特許)
※ 化学・機械・電気のコースに分かれて実施 - 1月28日(木) 18:00~21:10 (3時間) 出願手続・演習 (意匠)
- 1月29日(金) 18:00~21:10 (3時間) 審査対応・演習 (意匠)
- 2月 4日(木) 18:00~21:10 (3時間) 出願手続・演習 (商標)
- 2月 5日(金) 18:00~21:10 (3時間) 審査対応・演習 (商標)
コースの決定は、12月3日木曜日発送のテキスト等と共に送付されます。テキスト等は段ボール1箱分が送付されます。
集合研修の内容は、事前に提出した課題 (起案) を基にして、講師の解説とグループディスカッションの形式で研修を進めていきます。
筆者が受講した感想では、長丁場となりますが、講師の方の指導が丁寧で、グループディスカッションも和気あいあいと進めることができました。グループは、筆者の記憶では5から6人くらいで、議長役・書記役・発表役を決めて進める形でした。
各回の研修の最後にグループごとに議論した内容を発表してレビューする形になります。これは、弁理士会の倫理の集合研修とも似たような形式でした。
なお、集合研修はZoomによるオンライン研修です。
筆者が受講した当時は、Zoomの画面に受講者が映っていないと、即座にダイレクトメッセージで「顔が映っていないのでカメラの画角を調整してください」というメッセージが来ました。
筆者もメモを取っていた際にパソコンのカメラから外れてしまったせいか、このメッセージを何回か受けたことがあります。
事前課題 (起案)
集合研修に先立って、各回に応じた起案課題を提出します。課題が提出できないと集合研修が受けられません。起案は合計7回提出します。
令和8年度に関しては、最初の起案提出は2026年12月15日火曜日となっています。PDFデータを送信して提出するようです。以後の課題は、指定された期日までに順次送付することになります。
筆者が受講した時は、起案課題はテキスト等と一緒に送付されてきた「ゆうパック」に入れて送付する形式でした。
起案課題は、集合研修の内容に沿ったものでした。筆者が受講した当時の記憶では、以下の内容でした。
提出された起案は採点され、基準に満たない場合は再提出となります。再提出か否かは、集合研修の間 (回によって最初か最後) にメールで通知されます。
再提出の場合は指定された期日までに提出します。なお、再提出でも基準に満たない場合は再々提出となり、再々提出でも基準に満たなければその課目の単位の修得ができません。このため、最大3回の提出機会が与えられます。
なお、筆者の経験によると、起案課題の考え方については集合研修の中で丁寧に解説される他、グループディスカッションの中で検討していくため、丁寧に取り組めば、必要以上に不安を感じることはないと思います。
筆者の場合、知財の実務に関する経験がほとんどなかったため、試験で学んだ法律知識を実際の出願書類に落とし込むことに難儀し、テキストを何度も確認しながら作成したのを覚えています。
e-ラーニング研修
集合研修と並行して、研修期間中にe-ラーニング研修を受講します。筆者が計数したところ、93単位分 (約46.5時間相当) のe-ラーニングがあります。このため、計画的な受講が求められます。
e-ラーニングには途中で数問の効果確認問題が出題され、8割以上正解しないと先に進めない形式となっています。
修了式
実務修習の修了式は、2027年3月17日水曜日から19日金曜日のいずれかの日の18時~19時に行われます。詳細は修習期間内に改めて通知されるようです。東京・大阪・名古屋の会場で行われます。
具体的には、以下の日時・会場となります。
結び
弁理士試験合格後の最後の関門としての実務修習ですが、弁理士試験を同期で合格した人とグループディスカッションの中で交流ができ、特許庁の審査官・審判官経験者や弁護士資格を有する方と一緒に受けられることもあり、非常に有意義な研修になります。
実務修習のすべての課程を修了すると、実務修習修了証が交付されます。これは、その後の弁理士登録の際に必要となる書類です。
筆者は、弁理士試験合格直後に実務修習のことを知り、まだ関門があるのか、と合格の余韻にひたる間もなく、少し無力感を感じたのを覚えています。まるで、ゲームをクリアした直後に追加ステージが現れたような感じがしました。
ここまでくれば、弁理士になるまであと一歩なので、前向きに取り組めると良いと思います。
なお、実務修習の詳細については、こちらの日本弁理士会のサイトに掲載されていますので、申し込みをされる場合は、弁理士会のサイトをよく確認されることをお勧めします。
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