はじめに
2026年 (令和8年) 9月18日金曜日に弁理士試験論文式試験の合格発表がありました。論文式試験に合格された方は、いよいよ最終ステージの口述式試験に臨むこととなります。
口述式試験は、特許庁の公告によると、2026年10月17日土曜日から19日月曜日のうち、いずれかの日で実施されます。
今回は、口述式試験にあたっての留意点について見ていきます。なお、口述試験の全体的な流れについては、こちらの記事も参考にして頂ければ幸いです。
口述式試験について
口述式試験については、特許庁のサイトによると、下記のとおりと発表されています。
試験科目
- 特許・実用新案に関する法令
- 意匠に関する法令
- 商標に関する法令
試験時間
各科目とも10分程度
試験方法
面接方式
受験者が各科目の試験室を順次移動する方法により実施する。
法文の貸与
試験の際、試験室内にあらかじめ用意されている弁理士試験用法文を試験委員の許可を受けて参照することができます。
合格基準
採点基準を、A、B、Cのゾーン方式とし、合格基準はC評価が2つ以上ないこと。
A:答えが良く出来ている場合
B:答えが普通に出来ている場合
C:答えが不十分である場合
問題等の公表
出題に係るテーマを、口述試験終了後にできるだけ速やかに特許庁ホームページにより公表する。 解答については公表しない。
試験の留意点
服装について
服装について公式には特に指定されていませんが、実際にはスーツなどのビジネススタイルで臨む受験者が一般的です。いわゆる、リクルート・ビジネススタイルが無難です。例えば、男性はビジネススーツ、女性は黒・紺・グレーのテーラードジャケットに同色のスカートまたはパンツ、白ブラウスなどが無難とされます。
服装自体が採点対象であるとは公表されていませんが、試験に集中する意味でも、周囲から浮きにくいビジネススタイルで臨むのが無難だと思います。
本試験の前に、口述試験の練習として各受験予備校などが行っている口述模試に参加される場合も、服装も含めて、本番と同じ条件で練習しておくとよいでしょう。
面接室の入室・退出
面接室は、筆者が受験した際は、会場スタッフの方がドアを開け、その案内に従って入室しました。会場の構造上、長い通路を抜けた先に面接をする場所がありました。基本的なマナーは入試や就職面接と同様です。
席の横に移動して、名前を名乗ります。少し声を大きめに、お腹から声を出す感じで、ゆっくりとはっきりと話すように出来ると良いと思います。
面接官の許可を受けて席に座り、面接官の指示に従って試験の説明を受けて問答が始まります。
面接が終わると、席を立ち、その場でお礼を言ってから退出します。
法文集の使用について
面接中に即答できずに迷った場合は、なるべく早めに積極的に法文集を参照した方がよいでしょう。法文集の参照は公式に認められているため、必要なときにはためらわず利用した方がよいと思います。むしろ、沈黙してしまう方が、時間が経過してしまい、最後まで回答出来ないリスクがあります。
法文集を参照する際は、一言「法文集を参照してよろしいですか?」と面接官に言います。面接官の許可を受けて法文集を参照することになります。
筆者の場合、特許・実用新案は法文集を参照することなく試験を終えることができました。意匠については時間があまりそうだったためか、「補正却下不服審判」「補正後の新出願」を条文通り答えるように問われたため、ここで法文集を参照しました。「補正却下決定不服審判」「補正後の意匠についての新出願」でした。
その他の留意事項
口述式試験では、10分程度という限られた時間の中で、用意された一連の問題に回答していくことになります。このため、時間の使い方が非常に重要です。特に、答えに窮した時の沈黙で時間が経過してしまうのは避けたいところです。
対応策としては、完全な答えが思い浮かばなくても、分かる範囲で答えてみることだと考えられます。口述式試験は、これまでの試験と違って、試験官とのやり取りで答えを修正することができます。また、回答が誤っていた場合でも、試験官からヒントを出してもらったり、話を誘導してもらえたりする場合があります。
法文集を確認する際も、手短に確認するようにすると良いでしょう。法文集の確認に時間を使ってしまうのも避けたいところです。法文を参照した場合も、確認した条文を踏まえてそのまま回答を続けることができます。
筆者も、商標の最後の問題で、いくつか出願手段を答えるところ、最後の1つが出なくて困ってしまいました。しかし、ダメもとで思いついた答えを答えたところ、はずれでしたが、そこでヒントを出してもらえて最後まで回答することができました。
口述模試は受けるべきか
口述模試は、場慣れや、試験の雰囲気をつかむためにも受けられると良いと思います。模試の場で、講師の方から口述試験のポイントなどを聞くことができるかもしれません。
しかし、必ずしも受ける必要はありません。筆者も口述模試は受けずに本試験に臨みました。都心から比較的遠くに住んでいたことに加え、当時はかのパンデミックの最中だったことも理由の一つでした。
結び
口述式試験は面接官との面接形式のため、これまでの筆記試験とは違った緊張感があります。しかし、問われる内容そのものは、短答式・論文式試験を通じて身につけてきた知識を土台として対応できるものです。一方、口頭でその場で答えるという点では、筆記試験とは違った準備も必要になります。
本試験当日に向けて、体調管理も含めて調整できると良いと思います。この季節は気温・気圧の変動で体調を崩しやすい上、最近はインフルエンザが早く流行しています。
筆者も、この記事を書きながら、当時の緊張感や、会場のラストダンジョンのような雰囲気を思い出していました。
なお、アイキャッチ画像は、口述試験後に撮影した会場の建物です。
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