特許

知財の歴史

第17回 蒸気機関を変えた発明者 ― ジェームズ・ワットの苦労

はじめに 前回は、1712年頃に発明されたとされるトマス・ニューコメンによる蒸気機関の発明を取り上げました。これにより、炭坑の排水問題を解決することが出来ました。 しかし、ニューコメンの蒸気機関は燃料効率が非常に悪いという欠点がありました。...
知財の歴史

第15回 産業革命の発明者の苦難(その1) ― ジョン・ケイと飛び杼の悲劇

はじめに 18世紀の英国で始まった産業革命には、数多くの重要な発明がありました。代表的な発明の一つとして、ジョン・ケイ (John Kay) が1733年に世に出した「飛び杼 (とびひ:Flying Shuttle)」があります。これにより...
知財の歴史

第14回 ギルドと特許 ― 技術を守る2つの制度

はじめに これまで、特許制度が王権の裁量から法の支配へと変化していく過程を見てきました。 しかし同じ時代、技術の管理や伝承の仕組みもまた、大きく変わろうとしていました。それまで技術は、「ギルド」と呼ばれる商工業者の団体が、徒弟制度のもとで管...
知財トピック

iPS細胞特許の延長登録の権利範囲 ― 延長後の権利範囲はどうなる?

はじめに 2026年9月25日の日本経済新聞朝刊に「iPS細胞 特許延長決定 ― 京大が管理 応用薬の開発進展受け」という記事が掲載されていました。 この日経新聞の記事によると、「京都大学がiPS細胞に関する基本特許を延長する申請が日本の特...
知財の歴史

第13回 王の特権から社会の制度へ ― 特許制度300年の転換 (第12回までのまとめ)

はじめに これまで、15世紀のベネチアと英国でそれぞれ誕生した特許制度。英国では18世紀までの約300年の間に王権から法の支配の下での特許制度へと形を変えていきました。 それは、特許が「王の裁量」で与えられる専売権ではなく、「社会契約」のも...
知財トピック

特許権の存続期間は、なぜ「出願」からなのか? ― 「登録」からではないのか?

はじめに 主な知的財産権の存続期間については、知財関係の参考書だけでなく、「ITパスポート」の参考書や高校生の「情報」の教科書などにも記載されています。 そこには、以下のように書いてあるはずです。特許権:出願から20年 (一定の場合には延長...
知財の歴史

第8回 名誉革命後の特許制度 ―「王の特権」から「発明者の財産権」へ

はじめに 17世紀の英国では、1624年の専売条例制定後もなお続いた「王の専制」から、「法の支配」へと大きく転換する時代でした。その中で、特許制度も大きな変化を迎えることとなります。 日本では、江戸時代の2代将軍秀忠の時代から5代将軍綱吉の...
知財トピック

AIは特許審査をどう変えるのか ― 特許庁「JPO AIビジョン」を考える

※画像はAIで作成したイメージです。実際の特許庁の施設、審査システム等を表すものではありません。はじめに 2026年7月28日火曜日の日本経済新聞朝刊に、「AIで特許審査 職員が最終判断 特許庁が活用指針」という記事が掲載されました。 特許...
知財の歴史

第4回 エリザベス1世の時代 ― 特許濫発の弊害

はじめに これまで述べてきたように、15世紀のイングランドで、当時の王であったヘンリー6世が特許状の付与を開始しました。 (「第2回 15世紀イギリスの特許状」) しかし、イングランドにおける特許状は、その後、大きな問題を抱えることになりま...
知財の歴史

第3回 15世紀の2つの特許制度の比較

はじめに これまで述べてきたように、15世紀、日本では室町時代に当たる頃、ベネチア共和国(現在のイタリア)とイングランド(現在の英国)で2つの特許制度が成立しました。 「第1回 世界最古の特許法は、なぜ15世紀ベネチアで生まれたのか」 「第...