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ブランドって何? ―ピラミッドの時代から続く「信頼のしるし」

商標とブランドの話

はじめに

 みなさんは「ブランド」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか?
ルイ・ヴィトンやシャネルのような高級バッグでしょうか?それとも、Appleやスターバックスのような身近なお店でしょうか。

 では、ブランドとは一体、いつ・どこで・どのようにしてできたのでしょうか?

 ブランドの歴史を遡ると、驚くべき場所にたどり着きます。
それは今から約4700年前、あのエジプトのピラミッドが作られ始めた時代です。

 高級バッグとは似ても似つかない「古代エジプト」で、一体どのようにしてブランドが生まれたのでしょうか?

 今回は、知っていると誰かに話したくなる「ブランドのルーツ」を見ていきます。

ブランドの誕生

 今から約4700年前の古代エジプト。当時のエジプトは古王国時代 (別名、ピラミッド時代) が始まったところでした。この時代は、ファラオと呼ばれる王様が支配する大きな王国でした。

 この時代は、王様の権威を示すため、国中にピラミッドが作られました。また、王様が支配する中で国が豊かになり、多くの人が同じ場所で大量の牛を飼育するようになりました。

 すると、どの牛が自分の牛かわからなくなってしまいます。そこで、誰の牛かを示すために、牛のお尻に焼き印を入れるようになりました (牛さんが痛そうですね)。これがブランドの始まりとされています。

ブランドという言葉の誕生

 時は3000年以上経過して、中世 (8世紀から11世紀頃) の北欧 (現在のスウェーデン・ノルウェー・デンマークなど) に舞台は移ります。

 中世の北欧には、ノルド語という当時北欧で使われていた言葉を話すバイキングが暮らしていました。バイキングも、牛や羊などの家畜を飼育していました。そして、古代エジプト人と同様に、どの牛や羊が自分のものであるかを示すために、火のついた木 (たいまつ) で牛や羊に焼き印を押していました (やはり、牛さんや羊さんが痛そうですね)。

 バイキングは、焼き印を押すための火のついた木のことを、ノルド語で「ブランドル (Brandr) 」と呼んでいました。これが、ブランドの語源になります。

 なお、ブランドル (Brandr) という言葉は、英語で「燃やす」を意味する “Burn” という単語の語源でもあります。

 その後、バイキングは船に乗って現在のイギリスに進出し、そこでも家畜に焼き印を押して「ブランドル」という言葉を使っていました。こうして、「ブランド」 (Brand) という言葉として定着していきました。

産業革命とブランドの保護

 以上のように、家畜の焼き印であったブランドが、どのようにして現在のようなブランドになったのでしょうか?

 この変化は、19世紀後半・産業革命の時代の英国と米国で起こりました。

 産業革命により、様々な製品が工場で大量生産できるようになりました。そして、それらの製品が遠くの街まで運ばれるようになりました。

 しかし、当時は、どこの誰が作ったのかわからない粗悪品も多く出回っていました

 そこで企業は、自分の製品にロゴマークを刻印して、他者の製品と区別するようになりました。こうして、自分の製品の品質が良いことを表示するようになりました。まさに、現在のブランドの誕生になります。

ブランドと商標の違い

 ブランドというと、商標というのも思い浮かべる人もいるかもしれません。逆に、「商標とは何?」と聞かれた時に、「ブランドのようなもの」、と答える人もいるかもしれません。

 では、商標とブランドはどう違うのでしょうか?

 ブランドは、「顧客が抱くイメージ」を主にさすのに対し、商標は「商品の識別標識」を指すとされています。商標を登録することで、商標は法律で保護されるようになります。すなわち、ブランドは、人々の頭の中にあるイメージや信用で、商標は、そのブランドを法律上守るための目印を指します

 現代では、商標を登録することで、「この商標を付した商品がどこから来たのか」「この商標を付した商品の品質が保証されている」「この商標を付した商品は、他の会社の商品とは違う」といった効果を得ることができます。これに伴い、商品の品質を保証したり、模倣を防止したりすることができます。

結び

 ブランドの歴史は相当古く、ピラミッド時代のエジプトまで遡ることが解ります。ブランドの本質は、自分の財産を他者の財産と区別することでした。それが、産業革命を通じて「他者の商品と区別」したり「品質を保証」したりと、現在のブランド・商標の使い方へと進化していました。

 これから、商標やブランドに触れる機会がありましたら、ピラミッドやバイキング時代を想像してみるのも良いかもしれません。

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