はじめに
J-PlatPatで「動き商標」を検索すると、株式会社タイトー(以下、タイトー)が出願した、インベーダーと思われる「動き商標」が3件登録されていることが確認できます(登録第6166669号、登録第6166670号、登録第6166671号)。
今回は、これら3件の商標登録を見ながら、「動き商標」について見ていきます。
「動き商標」とは
「動き商標」とは、CMの最後に出るロゴマークなどに見られるように、アニメーションで表示される商標です。例として、エステー株式会社の「ひよこが画面上を移動する」動きや、株式会社ワコールの「Wをモチーフにした花が、つぼみから開く様子」を表す動き等があります。
「動き商標」は、2014年(平成26年)の商標法改正により新たに保護対象となり、2015年4月1日から出願受付が開始されました。諸外国では既に「動き商標」が保護対象であったことと、企業の多様なブランディング活動の保護が主な理由となっています。背景として、デジタルサイネージや画面上でのCMの普及の加速があります。
「動き商標」は商標法第5条2項1号に規定されています。願書には『動き商標』である旨を記載するとともに、時間の経過に伴う変化が分かるよう、複数の図をいわばパラパラ漫画のコマのように記載します。また、その動きを特定する『商標の詳細な説明』も記載します。
インベーダーとは
インベーダーは、「スペースインベーダー」の名で、1978年にタイトーが開発し、大ヒットしたアーケードゲームです。5行11列に並んだ55体のインベーダーが左右に移動しながら、少しずつ下へ迫ってくるのを撃つ、いわゆるシューティングゲームです。
シンプルな構成ですが、プレーヤーを夢中にさせ、登場から50年近くを経た今でも話題にのぼる作品です。現在もゲームセンターの看板に、インベーダーをモチーフにしたキャラクターが用いられているのが見られます。
インベーダーの動き商標
インベーダーと思われるタイトーの「動き商標」登録 (登録6166669号、登録6166670、登録6166671号) を見ると、それぞれについて3枚の画像で動きが表現されています。「両手を上げて両足を開いた状態の絵」「両手を下げて両足を閉じた状態の絵」「再び、両手を上げて両足を開いた状態の絵」という感じです。これらを繰り返すことで、ゲームでのあのシャカシャカ歩く動きが再現出来ます。
さらに、「商標の詳細な説明」の欄を見ると、3体のインベーダーについて、「カニと思わしきキャラクター」「イカと思わしきキャラクター」「タコと思わしきキャラクター」とあります。あのインベーダーは、少なくとも商標登録上の説明では、それぞれ『カニ』『イカ』『タコ』を思わせるキャラクターとして表現されていることが分かります。
筆者は、あのインベーダーは、「ヒトデ」と「クラゲ」のようなものだと思っていました。ドット絵ならではの想像力をかき立てる点がまた良いと思いました。
なお、指定商品・指定役務については、「第9類:コンピュータ用ゲームプログラムなど」「第28類:娯楽装置など」「第41類:電子出版物の提供、ゲーム大会の企画・運営など」の3区分にわたり、多数の商品・役務が指定されています。
ゲームプログラムだけでなく、娯楽装置やゲーム大会の企画・運営など、幅広い商品・役務について権利化されていることが分かります。
結び
商標登録を検索すると、身近な例が多く商標登録されていることが見られます。また、登録内容を詳しく見ると、その商標をどのような特徴を持つものとして表現し、権利化しているのかが分かる場合があります。そこから、普段何気なく見ていたキャラクターやロゴの意外な一面が見えてくることもあります。
なお、「動き商標」は、J-PlatPatの画面上側の青いライン上の「商標」にマウスを合わせ、そこの上から2番目に表示される「商標検索」をクリックします。次の画面の一番下の「検索オプション」の欄の右側にある「+」をクリックするとメニューが開くので、「商標のタイプ」の中で「動き商標」にチェックを入れて、「検索」をクリックすると、「動き商標」が一覧で表示されます。
このほか、日本では『立体商標』に加え、平成26年改正で導入された『音商標』『位置商標』『ホログラム商標』『色彩のみからなる商標』など、さまざまなタイプの商標が保護されています。
今後のブログでも、音商標や位置商標など、身近にある少し変わった商標を取り上げていきたいと思います。
知財に興味を持った方へ
La Bussola IP Office では、知財の勉強方法、資格取得、キャリアについてのご相談も受け付けています。
知的財産をこれから学んでみたい方、弁理士試験などの資格取得を考えている方、知財を仕事やキャリアに活かしたい方は、お気軽にご相談ください。

