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LCD案内表示器の画像も意匠登録される? ― 画面デザインと意匠法

知財あれこれ

※筆者撮影。写真は説明用の一例であり、特定の登録意匠そのものを示すものではありません。

はじめに

 電車に乗ると、ドアの上などに、次の駅や停車駅を表示する画面を見かけることがあります。
何気なく見ている表示ですが、文字の大きさ、色、路線の見せ方、駅名の配置などには、乗客に情報を分かりやすく伝えるための工夫があります。

 実はこのような表示画面のデザインも、意匠登録の対象になることがあります。今回は、画像の意匠として、電車内のドアの上などにあるLCD表示器に表示される画像を例に挙げて見ていきます。

 なお、ここでいう「画像」とは、写真そのものという意味ではなく、画面に表示されるデザインのことです。

意匠とは

 意匠は、モノの見た目のデザインのことをいいます。スマートフォンやパソコン、掃除機など、見た目がかっこよかったりかわいかったりすると、つい買いたくなってしまいます。このように、魅力的なデザインを真似されないように守るのが意匠法です。

 意匠法は、原則としてモノの形やデザインを守りますが、モノだけでなく画像のデザインも保護されることがあります。

 これは、過去にはボタンやスイッチで操作していたモノが、今ではタッチパネルの画面にボタンやスイッチが表示されるようになったり、時計の針が画面に表示されるようになってきたからです。つまり、画面のデザインがモノと同じくらい重要になったからです。

電車の表示画像

 電車の中で見かけるLCD画面に表示される画像は、これまでは路線図や案内標識などの紙媒体で案内していたものを、画面表示によって実現したものです。つまり、表示器としての機能を発揮した結果、画面に画像が表示されているのです。これは、表示器のデザインとして考えられるため、画像も意匠登録が受けられるのです。

 もっとも、ここで大切なのは、単に「駅名が表示されている」という情報そのものではなく、駅名や路線、進行方向、乗換案内などを、どのような配置・色・形で見せるかという画面デザインの部分です。

 現に、三菱電機や東芝、小糸工業などのメーカーが、この表示画像の意匠登録を受けています。解りやすく見やすく案内するための創意工夫の結晶として、意匠法で保護を受けているのです。

近年の画像の意匠

 以前は、画像の意匠は、基本的に「モノに記録され、そのモノに表示される画像」として扱われていました。

 そのため、電車の表示器のように、特定の装置に表示される画像は、表示器というモノと結び付いた形で保護されていました

 その後、令和元年の意匠法改正により、画像そのものも意匠法の保護対象に含まれるようになりました。これにより、スマートフォンやパソコンの画面、ネットワークを通じて表示される画像など、現代のデジタル社会に合った保護がしやすくなりました。

結び

 私たちの身の回りを見渡すと、知的財産をたくさん見つけることができます。特許、商標、意匠についても、意外と身近なところに知財を学ぶネタがあるのです。

 普段何気なく見ている表示画面にも、知的財産の視点から見ると、さまざまな工夫が隠れています。

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