はじめに
私たちが何気なく目にしている「ポケモン」のアルファベット表記。よく見ると、「Pokémon」の「e」の上に小さな右上りのアクセント記号「´」がついていることに気が付きます。この記号はいったい何のためについているのでしょうか?
このアクセント記号は、「アキュート・アクセント (フランス語ではアクサンテギュ:Accent aigu)」と呼ばれ、フランス語などで用いられています。「Café」の「é」の字の上にもついていますね。
では、なぜ日本語のゲームであるポケモンに、この記号がついているのでしょうか。そこには、世界中の人々にブランドを覚えてもらうための、緻密な「知的財産(知財)戦略」が隠されています。
アクセント記号の意味
(1) 世界中の人に「ポケモン」と発音してもらうため
「Pokémon」の「é」のようにアキュート・アクセントを付ける理由の一つは、世界中で正しく発音してもらうためです。もしこの記号がなければ、英語圏の人は「Pokemon」を「ポキモン」や「ポークマン」のように読んでしまう可能性が高くなります。そこで「e」の上に記号をつけ、「ここは『エ』とはっきり発音する」ということを世界に示しました。
(2) ブランド名として印象に残りやすくするため
もう一つ注目したいのは、「é」という小さな記号が、ブランド名の見た目にも個性を与えている点です。
商標の世界では、商品やサービスを他のものと区別できることが大切です。ポケモンの場合、「Pokémon」という表記は、単にアルファベットで書いただけの名前ではなく、「é」という特徴的な記号を含むことで、見た目にも印象に残りやすいものになっています。
もちろん、ポケモンという名前自体が強いブランド名ですが、この小さな記号は、発音を助けるだけでなく、世界中で同じブランドとして認識してもらうための工夫とも見ることができます。
つまり、「é」は、法律上の商標だけでなく、ブランドを覚えてもらうためのデザイン上の工夫でもあるのです。
結び
「é」の文字につくたった一つの小さな記号ですが、それは単なるデザインをオシャレにするためだけではありません。生まれたばかりのブランドを大切に育て、世界へ羽ばたかせるための「お守り」であり「戦略」なのです。
私たちが日常で何気なく接しているロゴや商品名には、すべてこうしたクリエイターや企業の知恵、そして知財の工夫が込められていることがあります。身の回りの「マーク」に注目してみると、世界を動かすビジネスの裏側が見えてくるかもしれません。
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